寝つきが悪い、眠りが浅いなどの不眠の症状に悩まれれている方も多くおられると思います。
不眠症上を改善するには生活習慣の見直しが大切となります。生活習慣には、起床時間や就寝時間、食事、入浴など様々ありますが、その中に運動をする習慣も含まれております。
デスクワークの仕事をしている人など、運動をする習慣があまりない人も多くいると思いますが、不眠の原因の1つとして運動不足が挙げられます。適度に体を動かさないと、身体が疲れを感じていないため、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりして、睡眠の質が低下するケースがあります。
そこで、本記事では、どんな運動をすれば良い?運動時間は?いつ運動をすれば良い?など、睡眠と運動の関係をまとめたいと思います。
なぜ運動をすることで睡眠の質が高まるの?
「身体を動かした日は熟睡できる」という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
どうして身体を動かすとよく眠れるのでしょうか。その理由を知るためには、まずは睡眠について少し知る必要があります。
睡眠にはレム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)が90分周期で交互に訪れると言われております。レム睡眠は、主に体を休める働きがあり、ノンレム睡眠は脳と体の両方を休める働きがあります。
現代では、車や電車、エスカレーターやエレベーターなどの移動手段の発達により、日常生活で体を動かす機会がどんどんと減ってきています。それに加え、仕事ではパソコン仕事の量も多くなり、脳を酷使する方も少なくはないと思います。
このように、「脳は疲れているけど、体が疲れていない状態」というアンバランスな状態から、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスも崩れて、その結果、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりと、睡眠の質が低下してしまいます。
そして、体と脳のアンバランスな疲労状態を解消するためには、体を疲れさせることが重要となり、体を疲れさせるために「運動」が必要となります。身体を動かした時によく眠れる、運動が睡眠改善において重要なのはこのためです。
また、運動は「ストレス解消効果」、精神を安定させる「リラックス効果」もあり、不安や心配事、精神的ストレスで寝つきが悪い人にも効果が期待できます。
ここで、運動による睡眠への効果をまとめると、
・体を疲れさせることにより心身の疲労のバランスが保たれるため、眠りが深くなる
・ストレス解消効果があるため、リラックス効果があるため、寝つきが良くなる
運動時間はどれくらい?
長時間の運動や激しい運動は、睡眠に良いどころか、悪い影響を与えてしまいます。
逆に、運動時間が短すぎると身体を疲れさせることができないため、睡眠に対する効果が得られません。
睡眠の質を高めることを目的とするのであれば、あくまで適度な運動をする方が効果的であり、運動時間は1回につき、30分〜60分を目安にすると良いでしょう。
いきなり1時間の運動をしろと言われても途中で挫折してしまう可能性が大きく、数日だけの運動では睡眠改善にはつながりません。継続して運動し続けることが理想であるため、始めは20〜30分程の運動から始めてみると良いと思います。
また、継続するのであれば、「週に3日は運動をする!」という目標を決めてから取り組むのも良いでしょう。
いつ運動をすれば良い?
睡眠の質を高めるためには、午後から夕方にあけて運動をするのがベストです。
人は、体温(深部体温)が下がると、眠たくなるメカニズムになっております。体温は、起床前に一番低くなっており、日中に向かうにつれてだんだんと上がります。そして、19〜21時にかけて、深部体温が最も高くなり、そこから眠りに向けて一気に下がります。
午後5時から〜7時ぐらいの間で運動をして体温を上げることにより、体温リズムがスムーズになって、ちょうど眠る時のタイミングで体温が下がって、自然に眠たくなります。
どんな運動をすれば良い?
午後から夕方にかけて、習慣的に30〜60分の運動をすれば良いことはわかりましたが、どういった運動をすれば良いのでしょうか。
運動の中でも特に有酸素運動が睡眠に良いと言われております。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動では、生理機能の向上が期待でき、体温調節機能や自律神経機能などが向上することで、睡眠の質も高まります。
まとめ
本記事では、睡眠と運動の関係についてまとめましたが、いかがだったでしょうか。
ここで、改めて本記事で書いたことをまとめると、
・運動をすることで寝つきが良くなったり、睡眠が深くなる
・運動時間は30〜60分がベスト
・体温リズムに合わせて、運動は午後から夕方にかけて行うこと
・睡眠には有酸素運動が効果的
運動によって睡眠の質を高めるためには、ただ運動をすれば良いというわけではなく、運動時間、運動のタイミング、運動の種類を意識する必要があります。
しかし、大切なのは「運動をする習慣をつける」ことなので、始めから無理な運動はせずに、まずは自分にできる簡単な運動から始めてみるのが良いでしょう。