体や心が疲れている時には森林浴が良いと聞いたことがある人もおられるのではないでしょうか。
実際、森林浴は、うつ病や自律神経失調症に役立つと考えられており、欧米では「森林浴セラピー」や「自然療法」として、森林浴が医療現場でも実用化されております。
それでもやはり、「森林浴の効果って感覚的なもので本当に効果があるの?」と疑問を持っている方もおられるかと思います。
そこで本記事では、うつや自律神経失調症の原因と森林浴の効果を見ながら、森林浴が心の病に役立つ理由を考えていきたいと思います。
心の病の陰には「精神的ストレス」「自立神経の乱れ」が関係している!
人によって、うつ病や自律神経失調症になる背景や原因は様々であり、現在では、これらの心の病のはっきりとした原因は解明されておりません。
しかし、心の病の陰には、精神的なストレスが関係していることは、多くの方がイメージできるのではないでしょうか。
精神的ストレスとは、不安や恐怖、緊張、心配事などの心理的な負荷のことを言います。精神的ストレスの負荷が重くなると、だんだんと自立神経系に乱れが生じることがわかっております。
自立神経には「交感神経」と「副交感神経」の二種類があります。交感神経は、激しい運動、呼興奮している時、危険を感じている時などに活発になる神経です。一方で、副交感神経は、睡眠時や休息時などのリラックスしている時に活発になります。
そして、この交感神経と副交感神経のバランスが崩れることが、うつ病や自立神経失調症の引き金になることもあります。
つまり、精神的ストレスから自立神経の乱れが生じ、その結果、心の病にかかる可能性があるということです。
こういったことから、うつ病や自立神経失調症の治療では、休養を取ったり、入院をすることで精神的ストレスの要因(ストレッサー)から遠ざけたり、薬物によって自立神経を整えるような治療が行われます。
森林浴には「ストレス軽減」と「リラックス効果」が期待できる!
ここまでは、心の病と精神的ストレス、自立神経の乱れの関わりを見てきましたが、ここからは、森林浴で期待できる効果について見ていきたいと思います。
心の病の改善に効果的と言われる理由となる、森林浴の効果は大きく2つあります。
1つ目は「ストレス軽減効果」です。
森の中を歩くことで、ストレスホルモンと言われる「コルチゾール」の量が減少するということが確認されております。コルチゾールはストレスを感じている時に多く分泌され、コルチゾールが高い状態が続くと、うつ病や自律神経失調症などの精神疾患につながるとも言われております。
そして、このコルチゾールの量はストレスの強さを表すものであり、森林浴でコルチゾールの量が低下するというのは、ストレスが減少するということを意味するのです。
続いて2つ目は「リラックス効果」です。
「森の中にいるだけで心が癒される」と感じることがある方も多いとは思いますが、実際、森林浴を行うことで、副交感神経が活性化して心が落ち着くと言われております。
森の中では、鎮静作用のある緑色を「視覚」で感じ取り、小川の音や小鳥のさえずりなどの自然音の癒し効果を「聴覚」で感じ、木や森の香りに含まれる「フィトンチッド」というリラックス効果のある物質を「嗅覚」で得ることができます。
つまり、森林浴は五感を通じてリラックス効果が得られるということです。
そして、森林浴で得られる「ストレス軽減効果」と「リラックス効果(副交感神経の活性化)」によって、うつ病や自律神経失調症に関係する「精神的ストレス」「自立神経の乱れ」の改善が期待できるというわけです。
まとめ
本記事では、、森林浴が精神疾患に役立つ理由を考えてきましたが、いかがだったでしょうか。
森林浴の効果は感覚的なものではなく、医学的・科学的にも検証されたものであり、欧米の治療法として森林浴が使われるのもうなづけたのではないでしょうか。
森林浴はここで紹介した効果以外にもたくさんの健康効果があります。
そして、うつ病や自律神経失調症とまではいかないけど、鬱状態の方や体と心が疲れ気味といった方にも多くの健康効果が期待できるので、そういった方は週末にでもフラッと気軽に出掛けてみるのも良いかもしれません^^