「最近、心から笑えない・・・」
「何に対しても喜びを感じられない・・・」
といったように、元気だった頃に比べて笑う回数が減ってしまうと、何だか自分が心配になりますよね。
中には、笑いや喜びなどの感情がなくなることで「もしかしてうつ病かも?」と不安を感じている方もおられるのではないでしょうか。
確かに、笑いや笑顔とうつ病は無関係ではなく、笑顔が減ったかどうかというのは、自分の精神状態を知る手がかりとなります。
そこで、本記事では「笑い」と「うつ病」の関わりについてまとめたいと思います。
笑いや嬉しさなどの喜びの感情が抱けない・・・という方は、ぜひ参考にしてみてください。
「笑い」と「うつ病」の関係
うつ病の大きな症状の1つに、抑うつ気分があります。
抑うつ気分というのは、「気分が憂うつ」「気分が晴れない」「気が滅入る」といった時に表現されるものです。
うつ病の時は、この抑うつ気分が慢性的に続くことがあります。また、うつ病になった人の訴えの中には、「悲しさ」「虚しさ」「孤独感」「絶望感」などのネガティブの感情が強くなるといった訴えが多く報告されているそうです。
それに加えて、うつ病の時は「快」や「喜び」などのポジティブな感情がなくなって、物事に対して興味が湧かなくなったり、何に対してもやる気が起きなくなくなります。
「笑い」というのは、嬉しい時や楽しい時に現れる表情なので、うつ病の時でポジティブな感情がなくなっている時は、それに比例して笑顔も少なくなるというわけです。
「笑顔(笑うこと)」は、うつ病の予防・改善につながる
自律神経の乱れの陰にうつ病が!?
うつ病を引き起こす原因は未だ解明されておらず、様々な説が提唱されています。
それらの説の中に「身体的・精神的ストレスによって神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど)が不足して、自律神経が乱れてうつ病を引き起こす」といった有力な説があります。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の二種類があります。
交感神経が優位になると、脳が興奮したり、緊張したりして活発な状態になります。主に、日中の活動中やストレスがかかった時に交感神経は優位になります。
その一方で副交感神経が優位になると、脳や体がリラックスした状態になります。主に食事中や睡眠中などの時に副交感神経が優位になります。
そして、私たちは活動時と休息時に交感神経と副交感神経が切り替わることで、心身を安定した状態に保っております。
うつ状態の時、漠然とした不安感や焦燥感、時には苛立ちなどで、交感神経が優位な状態が続いて、自律神経のバランスが崩れてしまいます。その結果として、心身の緊張が取れなくなり、リラックスしたくてもリラックスできない状態になってしまうことがあります。
「笑い」は自律神経を整える効果がある!?
笑いや笑顔には、副交感神経の働きを活発にして、神経のバランスを取り戻させる効果があります。笑う習慣をつけて副交感神経を優位な状態に作り出すことができれば、交感神経との切り替えがスムーズになって、自律神経のバランスが整うということです。
また、笑顔でいることで副交感神経が優位になると、脈拍や血圧などが緩やかになって心に安定をもたらされます。
つまり、笑いや笑顔を作ることによって、うつ病の予防・改善を期待できるということです。
逆にいうと、笑いや笑顔でリラックス状態が作れないと自律神経のバランスを崩しやすくなるということでもあります。
こういったことから、メンタルヘルスが叫ばれている昨今において、笑いや笑顔というのはとても大切なファクターになることが予想されます。