労働には三種類の労働があると言われております。
1つ目は、体を使う「肉体労働」。肉体労働は、工事現場や引越し業者、宅配業者など、体を使った作業の対価を賃金に変える労働です。
2つ目は頭を使う「頭脳労働」。頭脳労働は、新規事業の提案や企画書の作成など、頭を使って生み出したアイデアや企画を賃金に変える労働です。
そして、最後に、感情を使った「感情労働」。
この感情労働というのは、肉体労働や頭脳労働に続いて近年増加している労働形態であり、精神的なストレスを抱えて心が疲れやすい労働です。
本記事では、この「感情労働」について調べたことをまとめますので、ぜひ参考にしてみてください^^
「感情労働」とは
まず感情労働というのは、言葉の通り感情を使ったサービスの対価を賃金に変える労働です。
感情労働の典型として挙げられるのは、航空機の客室乗務員(CA)です。CAの仕事では、搭乗するお客様に対して、たとえ笑いたくない状況や不快な思いをしたとしても、常に笑顔で接客することが求められます。また、クレームを言われた際にも、自分の感情を抑えて、決して言い返すことなく、相手の心を満たし満足させることが仕事の一部でもあります。
他にも、クレーム処理の仕事や接客業などの仕事もお客様から理不尽なことを言われやすい仕事であり、自分の感情を抑えて職務を全うすることが要求されます。
つまり、感情労働は、相手を満足させるために、自分の中にある感情を抑制したり、誘発したりしながら業務を遂行する労働といえるでしょう。
最近では、ITエンジニアなどの技術職でさえ、感情労働が必要となる場面があり、社会全体に感情労働が浸透していると考えられます。
感情労働は仕事だけに当てはまるわけではない!
感情労働は労働という言葉がついているせいか、仕事だけに当てはまる用語に考えられがちです。
しかし、私が普段の何気ない時でも感情労働を行う場面が多々あります。
たとえば、作り笑いをする時は感情労働になりやすい場面だといえます。作り笑いは、心の中では「面白くない」「楽しくない」という感情を持っていたとしても、外には「面白くない」「楽しい」感情を見せるための笑いです。
自分の中の感情と相手に見せる感情が大きく異なっているほど感情労働になりやすいので、作り笑いは感情労働の1つといえるでしょう。
他にも、プレゼントをもらった時、心の中では「あまり嬉しくない」と思っていても、相手のことを気を遣って「嬉しい」ように見せるのも同じことがいえます。
このように、普段の生活においても、意識的もしくは無意識のうちに感情労働を行っている場合があるのです。
感情労働が続くとストレスに!?
相手のことを気遣ったり、相手のためを思って行う感情労働は悪いことではありません。
しかし、あまりに感情労働が続くと、それが精神的なストレスになる場合があります。
たとえば、お客様から罵倒されたり、理不尽なことを言われても、ムッとした気持ちを抑え込んで、「申し訳ございません」と謝罪するのは一回や二回なら我慢できることかもしれません。しかし、それが毎日のように続くと、大きな精神的なストレスになると容易に想像できるのではないでしょうか。
多くの仕事が感情労働が伴いますが、その中でも特に、感情労働が占める割合が多い仕事(CAや接客業)は、自己のメンタルケアが重要なポイントとなるでしょう。