感情を商品として提供する感情労働。
感情労働では、たとえ理不尽に感じることがあっても、自分の感情を押し殺して、業務を遂行することが求められます。
そのため、頭脳労働に比べて人の感情に労働の負荷がかかり、精神的な負担や重圧、ストレスを感じやすいという点が感情労働の特徴にあります。
現代の日本において、多くの仕事が感情労働を伴っていると言えますが、その中でも特に、業務で感情労働の占める割合が多い職業・職種がいくつかありますので、本記事ではそれらをピックアップしてご紹介したいと思います。
「仕事では心を痛めたくない・・・」
「精神的な負担が少ない仕事を選びたい!」
こような方々は、ぜひ参考にしてみてください^^
目次
感情労働になりやすい職業・職種6選
旅客機の客室乗務員(CA)
感情労働の代表的な職業の1つとして挙げられるのが、旅客機の客室乗務員(CA)です。
CAは、飛行機に搭乗するお客様に、どのような対応をされても笑顔で接客することが求められます。たとえ、お客様からクレームや悪口などの理不尽なことを言われたとしても、ムッとした気持ちを抑えて、お客様の満足のいくようなサービスを行うことが要求されます。
看護師
看護師は決してサービス業ではありませんが、感情労働になりやすい職業の1つとなります。
看護師は、患者さんに対して常に優しく接することが求められますが、日頃からハードワークな仕事であることから、時には患者さんに対してムスッとすることもあります。
患者さんの中には、手のかかる患者さんやセクハラまがいのことをする患者さん、中には暴力を振るう患者さんもおり、そういった人に対してイラっとした時でも、その感情を抑えて、優しく接することが求められます。
介護士
介護士には感情のコントロールが必要な場面が多々あります。
たとえば、利用者の最期が近くなってくると、今まで精一杯お世話をしてきた人との別れの悲しみを抑えながらも、死を意識したケアやサポートが必要となります。そして、利用者の最期を迎える姿も、自分の感情を抑えながらしっかりと見届けなければなりません。
また、利用者の中には、セクハラや暴力を振るう利用者もおり、福祉職という職業柄、そういった利用者に対しても我慢しながらサービスを提供することが期待されております。
教師
教師に対して人格者であるべきという周りの人々の期待が大きく、また教師自身もまた「教師のあるべき姿」を強く思い描いて仕事をしている人も少なくはありません。
しかし、「あるべき姿」を強く思い描くことによって、感情労働の影響を強く受ける場合があります。
たとえば、生徒に反抗をされたり、暴力を振るわれても、現在の教師の立場上、強く言うことができず、感情を抑えながら生徒と接する先生も少なくはないです。
また、モンスターペアレントに対しても、今は先生と保護者の力関係は保護者の方が強いため、どんな理不尽な要求をされても耐えなければなりません。
このように、教師の仕事では自分の思いや感情を抑える場面も多く、「こうあるべき」と強く思っている人ほど、心の中の感情と生徒や保護者に見せる感情が大きく離れやすいです。
カスタマーセンターやコールセンターのオペレーター
カスタマーセンターやコールセンターのオペレーターの仕事の1つに、感情労働の代名詞ともいえるクレーム処理があります。
お客様によってはオペレーター個人に対して、悪口や暴言を吐いたり、中には精神的に追い詰めるような言葉や人格を傷つけるような言葉を言う人も。
しかし、オペレーターは、たとえどのようなこと言われたとしても、何も言い返すことをせず、「申し訳ございません」と謝罪しなければなりません。
ウェイトレス、ホステス、ホストなどの接客業
ウェイトレスやホステスなどの接客業で相手にする人の中には、良いお客さんもいれば、厄介なお客さんもおります。
厄介なお客さんというのは、無理難題な注文を言ってきたり、相手のミスにつけこんで無理な要求をしてきたり、要求を通らなければ暴言を吐いたりするお客さんのことです。
接客業ではそういったお客さんも相手しなければならなく、お客さんに対して思うところがあっても心の中で耐えながら働くことが求められます。