うつ病の症状は身体と心の両方に現れます。
うつ状態の進行を防ぎ、自身のメンタルヘルスを守るためには、それらの症状をいち早く自覚する必要があります。
そこで本記事では、うつに伴う精神症状・身体症状をわかりやすく簡単にまとめますので、自身のうつ状態をチェックするのにご活用下さい。
うつ病に伴う身体的な症状
うつ病は、心の病というイメージから、精神的な症状に目がいきがちですが、身体的な症状も多く挙げられます。
身体症状は精神症状に比べて自覚しやすい一方で、その症状がうつ病と関係していると考えづらい面もあります。
■うつ病に伴う身体症状
症状の種類 | 具体的な症状 |
---|---|
睡眠障害 | ・寝つきが悪い ・夜中に何度も目が覚める ・朝早く目覚め、再び寝れない ・寝ても寝ても寝足りない |
食欲減退、または増加 | ・好きなものを見ても食べたいと思わない ・食べ物の味がしない ・食べるのが億劫 ・一ヶ月で5、6キロ減る ・甘いものを過剰に食べる(体重の増加) |
胃腸の障害 | ・吐き気 ・下痢、便秘 ・むかつき ・胃の痛み |
その他症状 | ・頭痛 ・目の疲れ ・耳鳴り、難聴 ・めまい ・動悸 ・息苦しさ、窒息感 ・肩・背中の痛み、凝り |
うつ病に伴う精神的な症状
身体的な症状に比べて、精神的な症状は自覚しにくいです。
仮に自覚したとしても、「少し疲れているだけかな?」「もっとしっかりしなきゃ!」と自分に言い聞かせて、よりムリを続けてしまいがちです。
心のサインを見逃さないためにも、ここでうつ病の精神症状を知っておきましょう。
■うつ病に伴う精神症状
症状の種類 | 具体的な症状 |
---|---|
感情・気分の障害 | ・気分が落ち込む ・悲しさ、空しさ、寂しさ ・孤独感、無力感、絶望感 ・体がいつもだるい、重い ・体の疲れが取れない ・いつも憂鬱な気分 ・将来へ希望が持てない |
思考力の低下 | ・仕事の能率が落ちる ・些細なことでも決断ができない ・注意力が散漫になる ・ニュースや新聞の見出しだけを見る ・物事を深く考えれない ・考えがまとまらない ・会話が難しくなる |
意欲の低下 | ・物事に対して興味が持てない ・今まで好きだったことでもヤル気が起きない ・何もかも面白いと感じれない ・人と会うのが億劫 ・張り合いが感じられない ・何もやりたくない |
多くの症状に当てはまった方へ
自分の症状を自覚したとしても、その後の対応はどうすれば良いのでしょうか?
人によって、対応は大きく分けて以下の3つに分かれるかと思います。
①病院へ行く。
②自分自身でうつの症状を改善する。
③症状に気付かなかったことにして、ムリを続ける。
①病院へ行く
うつの症状の度合いによっては病院の治療で症状を抑える必要があります。行く診療科としては、身体症状が強い場合は始めに神経内科に言って問題がなければメンタルヘルス科(精神科)を受診する流れが良いでしょう。もし精神症状が強い場合は、始めからメンタルヘルス科の受診する方が良いかもしれません。
ただ、病院の治療では、一般的に薬物療法が用いられるので、「薬に依存したくない」「医療費がもったいない」「そもそもメンタルヘルス科自体に抵抗を覚える」といったような人もおられるかと思います。そんな方は次に説明する、自分自身でうつの症状を改善する対応を取ってみてはいかがでしょうか。
②自分自身でうつの症状を改善する。
うつの症状の改善に重要となるのが「休養」を取ることだと言われております。
休養を取ることで身体的なエネルギーはもちろん、心のエネルギーも補充されて活力が取り戻されると考えられてます。
しかし、休養を取るのが苦痛に感じたり、ずっと引きこもる生活を送ると自分を追い詰めて症状が悪化してしまう可能性もあります。
そんな方はこちらの記事で紹介しているうつの予防・改善法を試してみると良いでしょう。
③症状に気付かなかったことにして、ムリを続ける。
うつの症状に気付いた時、一番取りやすい対応がこれではないでしょうか。
うつにかかりやすい人というのは、人一倍責任感が強く、生真面目、完璧主義者の傾向が強く、うつの症状が現れた時に「自分が弱いからダメなんだ。もっと強くならなきゃ!」「周りに迷惑をかけたくない」という思考が働いて自分を追い込んでムリを続けがちです。
なので、もし同じような思考が働いている方は、少なくとも②で書いたような自分自身で症状を改善するような対応は取るよう意識しましょう。