うつになりやすい職業と言われる社会福祉士(ソーシャルワーカー)の仕事。
社会福祉士は精神保健福祉士と似ている部分がありますが、それらの大きな違いといえるのはサポートの対象となる人です。
精神保健福祉士は統合失調症、アスペルガー症候群、自律神経失調症など、精神的に何らかの病気を持っている人に特化してサポートするのに対し、社会福祉士は、子供、大人、高齢者、障害者など、すべての人を対象としてサポートを行います。
そのため、社会福祉士は、幅広い知識やスキルを必要であり、精神保健福祉士の資格合格率が約60%であるのに対し、社会福祉士の資格合格率は約25%であり、そこから仕事の難しさも垣間見えます。
そして、メンタルヘルスが叫ばれている昨今では、社会福祉士の仕事は重要な役割を持っており、今後も社会的な需要が高まっていくと考えられます。その一方で、社会福祉士は、深い悩みを抱えた人達を相手にすることが多いため、メンタル的に大変なことが多く、精神的ストレスを感じやすい仕事でもあります。
そこで今回は、社会福祉士(ソーシャルワーカー)の大変さ、辛い・きついことについてまとめていきたいと思います。
・福祉業界に興味がある
・ソーシャルワーカーの仕事に興味がある
・社会福祉士か精神保健福祉士のどちらにしようか迷っている
こういった方々は、ぜひ参考にしてみてください^^
専門職なのに給与が低い!?
始めにも書きましたが、社会福祉士の資格合格率は約25%と資格取得に大きな労力が必要となります。また、高齢者介護、障害者支援、生活保護などの相談を受ける仕事内容であることから、福祉分野のすべてにおける知識やスキルが必要となってきます。
それにも関わらず、社会福祉士は給料面・待遇面には恵まれておらず、仕事と給料が見合っていないと感じている方も少なくはありません。
給料が低いことは、介護士、保育士にもいえることであり、福祉業界においては逃れられない宿命とも言えるのではないでしょうか。
理想と現実のギャップ!?
「困っている人の力になりたい!」
「困難を抱えている人達を支えられる仕事をしたい!」
そう思って社会福祉士を目指している方も多くおられるのではないでしょか。
しかし、現実はそう簡単ではありません。相談しに来る人の多くは、家庭面、経済面、仕事面などで深い悩みを抱えている方であり、中には、社会福祉士だけでは解決が難しい問題を抱えている人もおります。
そして、解決が難しい問題に直面した時、困っている人を助けたい思いと自分にはどうすることもできない無力感で葛藤する人も少なくはないでしょう。
ラポール(信頼関係)を築く難しさ!?
相談者と深いラポール(信頼関係)を築くことは、相談者と円滑なコミュニケーションための重要なポイントとなります。
深い悩みを抱えている相談者の中には、いくら歩みよろうとしても、心を閉ざしたきりで中々信頼を寄せてくれない人もおり、ラポールの形成に失敗してしまうこともあります。また、日々の忙しい業務で疲れ果て、相談者に対して冷たい反応、事務的な関わり方をしてしまい、相談者から信頼を寄せられない方もおられると思います。
そして、いくら専門家といえども、信頼していない相手にああしろこうしろと言われても、相談者にとっては納得がいきませんし、言うことを聞く気にもなりません。
日々の業務が大変で忘れしまいがちではありますが、相談者との信頼関係の構築は仕事の根本をなすものといえるので、そのことを忘れずに業務に励んでいくべきでしょう。
社会的な認知度が低い!?
社会福祉士(ソーシャルワーカー)は、今では少しずつ名前は広まりつつある仕事ではありますが、「名前は知っているけど仕事内容はわからない」といった方も多くおられるのではないでしょうか。
専門的な知識やスキルを持っている社会福祉士ではありますが、まだまだ社会的な認知度が低く、仕事が理解されづらい仕事であります。
また、社会福祉士は絶対的な独占業務があるわけではないため、専門家としての地位の確立が難しい面もあります。
まとめ
今回、社会福祉士の大変さ、辛い・きついことについてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
社会福祉士は、高齢者、子供、障害者など、幅広い人達をサポートしていかなければなりません。その分、仕事では大変なこと、辛いことも多く、精神的ストレスを感じている人も多く、うつになりやすい職業で上位に食い込むのも納得がいきます。
しかし、社会福祉士は、世の中の様々な困っている人を支援できる充実感、やりがいを感じることができ、高齢化社会、ストレス社会、そしてメンタルヘルスの時代には重要な役割を担っており、これからの社会ではよりニーズが高まっている仕事とも言えるでしょう。