最近では、企業のストレスチェックの義務化をはじめ、メンタルヘルスという言葉も日常的に使われるようになってきており、精神的な病気が昔よりも身近なものになってきております。
そのため、精神障がい者対して入院、社会復帰のサポートをする精神保健福祉士の仕事は、社会的役割も大きく、患者さんの笑顔、元気になった姿を見れた時は大変なやりがいを感じることもできます。
また、これから迎える精神障害者雇用の義務化に伴い、精神保健福祉士は、ますます需要が高まってくると予想される職業です。
その一方で、精神保健福祉士の質はバラつきがあったり、精神保健福祉士が不足している施設、病院も少なくなくはありません。また、精神障がい者を相手にすることから、相当なメンタルの強さを持っている人でなければ続けることが難しい仕事でもあります。心優しい人、メンタルがあまり強くない人の場合だと、自分自身が精神的に病んでしまうなんてことも・・・。
そういったことから、精神保健福祉士は、メンタル的な大変さがある仕事であります。
そこで今回は、精神保健福祉士の大変さ、キツイ・辛いことについてまとめていきたいと思います。
困難な場面、厳しい状況の連続!?
精神保健福祉士として働いている方の中で、人の心の複雑さを痛感している人が多くおられるのではないでしょうか。
精神保健福祉士は、精神障がい者を相手にすることから、複雑な人の心について考えていかなければなりません。
患者さんが抱えている悩みの中には自分では理解しづらいこともあったり、患者さんが一体何に悩んでいるのかわからなかったりする時もあります。
また、ある問題を抱えた患者さんに対してどういった支援を行うのが正しいことのか、患者さんがどうなることが正しいのかと、解決が難しい問題に直面すること少なくはありません。
答えのない迷路を彷徨う!?
人の幸不幸は一概に決めることはできません。精神的に障害を持っていないことが幸福であるとはいえませんし、精神的に障害を持っているからといって不幸であるというわけではありません。
精神保健福祉士の仕事は、関係する学問・理論が科学的に体系化されていないことから、何が正解なのかということがはっきりしておりません。
自分自身にとってはこれが正しいことだと思うことであっても、患者さんにとっては正しいことではないこともあります。
そういったことから、精神保健福祉士は、答えのない迷路を彷徨いながらも、患者さんと共に悩み、共に考え、成長していくことが大切ではないかと思います。
様々な人達の板ばさみ!?
精神保健福祉士の大きな仕事の1つに入院サポートがあり、医者、臨床心理士、看護師など、様々な医療スタッフと連携しながら仕事をしていきます。
そのため、精神保健福祉士は、医療スタッフと患者さんやその家族の間に立って調整役として回ることもあり、医者・看護師の理不尽な要求と患者さんのクレームや要求で板ばさみに合うケースも少なからずあります。
相手に取り込まれてしまう時も!?
「うつはうつる」とはよく言ったもので、精神的に障がいを持っている人たちと深く関わっていると、自分自身も取り込まれてしまうことも少なからずあります。
特に、患者さんに深く同情し、共感するような心優しい人ほど、精神的に辛くなってくる仕事です。患者さんをどうにかしたい!助けてあげたい!と強く考えれば考えるほど、知らず知らずのうちに精神的ストレスが溜まっていくことも・・・。
そして、こういった職業を選ぶ人の中には、福祉精神が強い人、人の役立つ仕事がしたいと考えている人が多いため、そういった人ほど注意が必要ではないかと思います。
意外に事務作業が多い!?
精神保健福祉士は、患者さんと向き合うことだけが仕事ではありません。
新患の予診、入院者インテーク、退院支援などに付随する事務処理も多く、精神保健福祉士の業務である入退院、就職サポートには事務処理も多く含まれております。
患者さんと向き合うことだけに集中したい、事務処理、雑務なんてやりたくないと思っている方は、このことは少し頭に入れておいたほうが良いかもしれません。
まとめ
今回、精神保健福祉士の大変さ、辛いことについてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
精神保健福祉士は、曖昧かつ、複雑な人の心と深く関わってくる仕事なので、精神的に大変な面が多くあり、心優しい人ほど辛いことが多い仕事ではないかと思います。
しかし、メンタルヘルスが身近になってきたこと、精神障害者雇用の義務化に向けて、これからますます社会の重要な役割を担う仕事といえます。
そして、患者さんたちに寄り添い、サポートしていくためには、それぞれの人が仕事に対して強い思いを持つことが大切になってくるのではないでしょうか。