少し前から、映画や音楽などで意図的に涙を流してストレスを発散させる「涙活」がジワジワと浸透し始めていることはご存知でしょうか?
確かに、泣くことには、ストレスの発散・解消などの健康効果があると知られており、泣くことは心の健康には重要です。
そして、泣くことに体や心の健康効果が多くある一方で、笑うことでも似たような多くの健康効果を得ることができると言われております。
にも関わらず、「涙活」が浸透しているのに比べて「笑活(※)」は、そこまで浸透していないように見受けられます。
※「笑活」とは、笑いによってストレス発散させて心を健康にする活動のことを指します。
果たして、なぜでしょうか・・・?
本記事では、涙活が浸透して笑活が浸透していない理由を考えてみたいと思います。
目次
「涙活」が浸透して「笑活」が浸透していない理由は?
多くの人が感動を求めている
皆さんは、最後に感動したのはいつですか?
子供の頃は、色々なことに興味が向いて、ちょっとしたことでも感動を覚えたり、嬉しくなったりしたものです。
しかし、大人になるにつれて勉強や仕事に追われる毎日で、感動することも少なくなっているのではないでしょうか。
そういった感動のない毎日を送っていると、喜びの感動や悲しみの感動で心を満たしたいと思う人が多くても不思議ではありません。
そして、感動と涙を求めて涙活に参加する人も少なくないと思います。
泣ける機会が少ない
子供の時はワンワン泣いていたのに、成人に向かうにつれて心のどこかで泣くのは「恥ずかしい」「情けない」「自分の弱さ」と感じるようになりますよね。
そして、大人になったら、泣きたくても泣くことを我慢するようになって段々と泣け機会を失っていきます。
特に、日本では、泣くにしろ、怒るにしろ、感情を人前で出すのにマイナスのイメージを持っている人も少なくないでしょう。
このように泣ける機会が減っていることが、涙活が浸透した理由の1つとなっていると考えられます。
泣こうと思って泣けるものではない
俳優さんや女優さんでない一般の人が、意図的に泣こうと思っても、そう簡単に泣けるものではありません。
人によっては、「泣くタイミングがわからない」 「どうやって泣けば良いかわからない」といった人も少なくはないと思います。
また、笑うのに比べて泣くためには力が必要となります。個人で泣こうとすると、泣くための環境作りから、自分の泣けるポイント探しといったことから始めなければなりません。
涙活は、人前で泣くことができない人はもちろん、泣こうにも泣けない人でも泣けるような空間を提供してくれるイベントなのです。
「笑うこと」は日常的にできること
日常的に泣く機会が減っていることは先でも言いましたが、反対に笑うことは日常的にできることです。
たとえば、お笑いライブを見に行ったり、友達同士で和気あいあいと笑ったり、バラエティ番組やコメディー映画を見て笑ったりと、これらはある意味「笑活」です。
つまり、笑うことは友達と一緒に、もしくは一人でも気軽にできるのです。
そして、日常的に笑う機会が多くあるので、わざわざ笑活と題して行う必要性が感じられないのかもしれません。
これから「笑活」が浸透するかも!?
「最近のバラエティ番組は面白くない」「お笑いブームはもう終わった」ということも聞きますが、本当に人々は笑いというものに無関心になったのでしょうか。
おそらく、テレビやお笑いライブといったもので笑う人が減って、ネットの動画や掲示板で笑う人が多くなっているだけで、多くの人が笑いを求めていることは変わっていないように思えます。
また、仕事や家庭でストレスを溜めている人、先行きが不安な人、悲しみや辛さで心を痛めている人など、「ストレスを発散したい」「精神的にリラックスしたい」「心を満たしたい」と願っている人は多くいるのではないでしょうか。
そして、これからメンタルヘルスがますます注目されると、泣くことに加えて笑うことも心の健康には必要という認識が強くなり、「笑活」が浸透するかもしれませんね^^