仕事や家庭でストレスが溜まると、ついつい暴飲暴食でストレス発散してしまうことはないでしょうか。また、逆にストレスで食欲がなくなって、体重がみるみると落ちてしまうこともあるのではないでしょうか。
一体、なぜストレスが溜まるとやけ食いしたり、食欲がなくなったりするのでしょうか。
本記事では食事とストレスの関係について調べたことをまとめて、過食や食欲不振の裏側を探っていきたいと思います。
目次
自律神経と過食・食欲不振
私たちがストレスを感じている時、自律神経の交感神経が優位に働いております。
たとえば、プレゼンの前や部活の試合前、ピリピリとした職場では、のんびりと物を食べる気になりませんし、食欲が湧いてこないことがありますよね。
交感神経が優位に働いている時は、いわゆる体や心が緊張状態になり、食欲が低下してしまいます。
逆に、ストレスから解放されたら、交感神経よりも副交感神経が優位に働くようになります。副交感神経の働きが高まってくると、無性にお腹が空いてきたり、食欲が湧いてきます。
たとえば、休憩時間や職場を離れた後に、甘いものを食べたくなったり、家に帰った後にお酒を飲みたくなるのは、体が副交感神経が働かせようとしているため。
このような自律神経のバランスによって、体はストレスに対応しているのです。
やけ食いは手軽なストレス解消手段!?脳は「食べること」でストレスを抑制しようとしている!
イライラしている時や緊張している時は交感神経が優位に働いて、いわゆる体が臨戦体制モードになっている時です。
そうなると、脳は自律神経のバランスを整えるために、副交感神経を働かせようとします。
そして、副交感神経を高める手軽な手段が食事です。
食事をした後に眠たくなることがよくあると思いますが、それは胃を膨らませることで副交感神経が働いて体や心がリラックス状態になるからです。
このことからも、食事は手軽なストレス解消手段とも言えます。
ただ、適度なストレスであれば食事で自律神経のバランスを整えられますが、過度なストレスにさらされている時には注意が必要です。
ストレスが溜まれば溜まるほど、交感神経が働くことになるので、食欲不振に陥ったり、ストレスの反動で副交感神経を優位に働かせようとしすぎて、過食に走ってしまう危険性があります。
つまり、ストレスによって自律神経が乱れて、その結果、肥満や大幅な体重減少が起きるということです。
→自律神経(交感神経と副交感神経)について詳しく知りたい方はこちらへ
ストレスホルモンで食欲が増加する!?
私達がストレスを感じている時、体の中では「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。
コルチゾールは脂肪を蓄積しやすく、「レプチン」という食欲抑制ホルモンを減少させます。
コルチゾール自体は非常時や緊張状況の時に必要なホルモンなので、決して悪いものではありません。
しかし、ストレスが溜まってコルチゾールが分泌されすぎると、食欲に歯止めが効かなくなって、過食に陥ってしまうこともあるそうです。
やけ食いは心のSOS!?もしかすると、タンパク質不足かも!
やけ食いや過食をついついしてしまう人の多くは、パン屋や麺類などの粉ものに偏った食事をして、タンパク質不足に陥ってしまいがちです。
タンパク質を含む食べ物には「セロトニン」の分泌に必要な「トリプトファン」を多く含むものも多くあります。
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、セロトニンが正常に働くことによって自律神経が整えられ、心の健康が保たれております。
つまり、タンパク質が不足するとトリプトファンも不足しやすく、その結果セロトニンの分泌も減ってストレスを感じやすくなるということです。
場合によっては、ストレス→過食→タンパク質不足→セロトニン不足→ストレス→・・・という負のスパイラルに陥ってしまうことも。
よくうつの時に、肉や魚を食べると良いと言われるのはタンパク質が多く含まれているためだと言われております。