セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンの関係とは【三大神経伝達物質について】

セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンは、モノアミン神経系と呼ばれる神経伝達物質です。この3つの神経伝達物質は、人の感情や精神面、記憶、睡眠など、人の大切な機能に深く関係していることから三大神経伝達物質とも言われております。

本記事では、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの役割やそれぞれの関係について調べたことをまとめます。

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三大神経伝達物質の役割とは?

「快楽」や「意欲」などの感情に関係するドーパミン

快感や喜びなどの感情に関係するドーパミン。

人の強い欲求には「快感を得たい欲求」がありますが、この「快感」を操っているのがドーパミンとなります。

たとえば、「お金」「美貌」「地位や名声」などの報酬が得られた時にドーパミンは分泌されます。もっと身近な話だと、学校のテストの順位が良かった時や昇進した時、ボーナスをもらった時は、少なからず快感を感じているのではないかと思いますが、その時にもドーパミンは分泌されます。

また、「お金持ちになりたい!」「美貌を手に入れたい!」「地位や名声を手に入れたい!」「モテたい!」などの快感を得るために、自然と意欲が湧いてくることはないでしょうか。ここのように「快感」というのは、心地良さに加えて「意欲」も生み出します。

反対にドーパミンが不足すると、やる気や意欲が低下してしまったり、ドーパミンが過剰に分泌されると満足感が得られなくなってしまいます。

「生命の危機」や「怒り」に関係するノルアドレナリン

「怒りのホルモン」や「ストレスホルモン」という異名も持つノルアドレナリン。

ドーパミンとは反対に、ノルアドレナリンは、ストレスに反応して「怒り」や「不安」、「恐怖」といった不快な感情に深く関係しております。

怒りや不安の不快な感情に関わるノルアドレナリンは存在する意味がないのでは?

と思われる方も多いかもしれませんが、実はそうではありません。ノルアドレナリンがあることで、知らず知らずのうちに外部からの危険やストレスに対して瞬時に身を守ることができているのです。

たとえば、家の近くで火事が起きると身の危険を感じて瞬時に逃げるという行動に選択すると思いますが、身の危険を感じれるのはノルアドレナリンのおかげです。こういった場面に遭遇することは滅多にありませんが、日常生活でもノルアドレナリンがもたらす感情によって身を守っております。

つまり、ノルアドレナリンは、危険を察知して、それを伝達する役割があり、脳内の危険管理センターのような働きをします。

ノルアドレナリンが不足してしまうと、気力が低下したり、物事への関心が低下したりなど、いわゆる抑うつ状態になりやすく、うつ病の原因にもなると言われております。逆に、ノルアドレナリンが過剰に分泌されると、イライラしやすくなったり、キレやすくなったりなど、躁状態を引き起こしやすくなります。

ドーパミンとノルアドレナリンをコントロールするセロトニン

精神の安定をもたらすセロトニン。

セロトニンは、ドーパミンやノルアドレナリンの暴走を抑える働きをします。

たとえば、ドーパミンが不足してノルアドレナリンが過剰に分泌されている状態だと、やる気や意欲が湧かず、なおかつイライラしやすくなりますが、それをコントロールするのがセロトニンです。セロトニンは、ドーパミンで興奮しすぎたり、ノルアドレナリンで不快感で落ち込みすぎないようにうまく舵取りを取っているわけです。

つまり、セロトニンがドーパミンとノルアドレナリンをコントロールすることで、精神的な安定が保たれるのです。

このことから、セロトニンは「幸せホルモン」と言われることもあり、セロトニンが正しく分泌されることによって、心を安定した状態を保つ事ができ、幸福感を生み出すことができます。

逆に、セロトニンが不足すると、頭がぼーっとしやすくなったり、うつ状態になりやすくなったり、パニックを起こしやすくなったりなど、様々な精神的な症状が現れます。

セロトニンとノルアドレナリンの関係

繰り返しになりますが、セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンの分泌を調整する働きがあります。

このことから、セロトニンは、ノルアドレナリンで興奮状態になった体や心を鎮静するという関係があります。

ノルアドレナリンは、ストレスに対して怒りや不安、恐怖などの感情の反応を示し、その感情によって体を奮い立たせて、注意力や集中力を高める働きをします。その一方で、興奮作用もあるので、ノルアドレナリンが過剰に分泌されると、怒りっぽくなったり、イライラしやすくなったりなど、いわゆる躁状態になります。

ノルアドレナリンの暴走しようとする時、その暴走を抑えて精神を沈静化しするのがセロトニンとなります。セロトニンは、抗ストレス作用を持つと言われるのはこのためです。

セロトニンとドーパミンの関係

セロトニンはノルアドレナリンの暴走を抑えるだけでなく、ドーパミンの分泌もコントロールしてます。

ドーパミンは、「快楽 」や「意欲」に関係しますので、ドーパミンが不足するとやる気や意欲が湧かなかったり、ドーパミンが暴走するとギャンブル依存症になったり、アルコール依存症になったり、満足感が得られない状態になってしまいます。

このような状態を避けるために、ドーパミンの分泌をうまく調整するのがセロトニンとなります。セロトニンは、ドーパミンによって快感だけ追い求め、際限なく満足できない状態になってしまうのにブレーキをかけて、平常心や精神的な安定をもたらします。

ドーパミンとノルアドレナリンの関係

快楽を感じる時に溢れるドーパミンと不安や恐怖を感じる時に溢れるノルアドレナリンは、密接な関係があります。

一見関係なさそうなドーパミンとノルアドレナリンではありますが、2つを結びつけるのが「ストレス」なります。ストレスを感じる時、ストレスに抵抗するためにノルアドレナリンが分泌されると同時に、ドーパミンも分泌されます。

ストレスを受けると、ノルアドレナリンが分泌されて「不安」や「恐怖」の感情が湧くは、イメージがしやすいかと思いますが、「快楽の感情に関係するドーパミンはストレスするの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。

ドーパミンがストレスと関係するのはなぜかといいますと、ストレスを解消するのに手っ取り早い手段が、ドーパミンを分泌して快楽を得る事だからです。

たとえば、ストレスを受けた時、アルコールを飲んだり、おいしいものを食べたり、運動をしたり、タバコを吸ったりするのは、ドーパミンを分泌させて、ストレスを解消させようとしているからです。

そして、強いストレスを受けて、ドーパミンが暴走してしまうと、アルコール依存症やギャンブル依存症などの依存症に発展することもあります。

このように、ストレスを受けた時、ドーパミンとノルアドレナリンがそれぞれの役割を果たすことで、自分自身の身を守っているのです。

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