「自分の体が自分のものじゃないみたい・・・」
「体を自分の思うように動かせない・・・」
「自分の体とは離れて自分を見ているような感じがする・・・」
「なんだか現実感がない・・ふわふわする・・・」
日常生活の中や仕事中などで、このような体が自分のものじゃないような感覚や現実感がない感覚に陥ったことがある方はどれほどおられるでしょうか。
普通の人から見ると、「そんな感覚はありえない」「自分がそう思い込んでいるだけ」「脳の錯覚だ」といったように思えるかもしれません。
しかし、自分の体が自分のものじゃないような感覚や現実感の喪失は、離人症と言われる症状であり、実際、その症状に悩まれている方も少なくはありません。
今回は、体が自分のものじゃない感覚や現実感が喪失する離人症の原因とそれに関係する病気についてまとめていきたいと思います。
離人感、現実感が喪失する原因は?
離人症の主な症状は以下のようになります。
・自分の体と心が切り離れて、自分を客観的に傍観している
・現実感の喪失
明確な発病メカニズムは解明されておらず、離人症の原因や背景は人によって異なります。
また、離人症は様々な原因が絡み合って発症するといわれており、その原因としては身体的なものもあれば、心理的なものもあります。次に、離人症の原因として考えられることを整理していきたいと思います。
身体的な原因
一見、離人症は心理的な症状のように思えますが、疲労や身体的なストレスが離人症の原因になっている場合もあります。
たとえば、睡眠不足であったり、残業続きで体を休める暇がない、仕事の過労などをきっかけに離人症が起こることもあります。
もし、離人症が起きている方の中で、「最近、身体的ストレスを感じている」「体が疲労していると感じている」といった方は、身体的な原因を疑ってみてはいかがでしょうか。
心理的な原因
離人症は、精神的なストレスや心理的なショックからも現れます。
たとえば、仕事における精神的ストレス、配偶者や恋人、親族、友人の死による精神的ストレス、失恋のショックなど、精神的ストレスと心理的なショックは離人症の原因と大きく関わっております。
また、精神的なストレスを感じていたり、心理的なショックを受けている時、メンタルへのダメージを軽減するために、脳が現実感を低下させているという心理的な側面があり、離人症は一種の心理的な防衛反応でもあります。
先天的な原因または、医学的な原因
離人感が長期化、深刻化した場合は、外部的または、先天的な原因の可能性もあります。
それらの原因としては、アルコールなど中枢神経に作用する薬が関与している可能性や薬物の乱用、てんかんや片頭痛、頭部外傷、生まれ持った脳神経の疾患などが挙げられます。
離人症は精神障害とも関わりがある!?
離人症は、主に以下の精神障害と併存して出現する場合があります。
・不安障害
・気分障害
・統合失調症
・自律神経失調症
・うつ状態または、うつ病
これら以外の精神障害と併存する場合もあります。
もちろん、精神障害以外にも、脳神経疾患、てんかんなどにより出現している場合もありますので、離人症が長期化している、深刻化している方は、病院受診も考慮してみてはいかがでしょうか。
また、離人症の治療方法や予防方法について知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。