誰しも少なからず持っている自己顕示欲。
自己顕示欲が強い人もいれば、弱い人もいます。
自己顕示欲が強すぎる人は、周りから敬遠されてやすく、自己顕示欲を抑えすぎている人は、精神的な病にかかりやすいのように思えます。
人によって違う自己顕示欲の強さ、その違いは一体どこから生じたものでしょうか。
自慢話が多い人、周りの人に自分のアピールばかりする人だけが本当に自己顕示欲が強い人と言えるのでしょうか。
そして、自己顕示欲が強い人の心理や特徴とは一体どんなものなのでしょうか・・・
目次
自己顕示欲が強い人の心理とは
自己顕示欲が強い人は、他の人よりも周りの人に認められたいという気持ちを強く持っています。
その気持ちが意識的、無意識的であるかは人によって違います。
周りの人から認められたい気持ち(承認欲求)を強く持っているということは、自分自身の中で周りから認められていないという気持ちも同時に持っているということです。
では、なぜ、周りから認められていないという気持ちを持っているのでしょうか。
それは生まれ育ちの環境が作用していたり、現在身を置いている環境が作用していたり、そして、周りからの言葉などの受け止め方、認知の歪みなどによって、認められていない気持ちを持っている可能性があります。
そして、自分のことを周りに認めさせようとするために、周りに自分のアピールをしたり、自分の自慢をしたりして、認められていないという気持ちを拭いさろうとしています。
また、先ほどから何度も出てきている、周りから認められる、認められていないという表現は、他者評価という意味でもあります。
すでにお分かりの人もいると思いますが、自己顕示欲が強い人は、自己評価よりも他者評価に重きを置いている人ということです。
そして、自己顕示欲が強い人は、自己受容ができていない人でもあります。
ここまでで分かることとしては、自己顕示欲が強い人の行動、言動は、あくまで自分を傷つけないために、周りから評価を得ようとしているに過ぎず、ただ自己愛を満たそうとしているに過ぎません。
自己顕示欲が強い人の特徴
外交的である
自己顕示欲が強い人の多くはは、外交的な人ではないかと思います。
周りの人に自分をアピールするためには、周りとコミュニケーションを取る必要があるので、外交的であるのは当然といえば当然のように思えます。
また、他者評価に重きを置いていることから、周りからの評価を気にするので、周りから嫌われないような接し方をする人も多くいると思います。
負けず嫌い
他者から評価を得るためには、周りの人よりも自分は凄いぞ!ということをアピールしなければなりません。
また、自分よりも評価を得ている人がいると、その人と自分が比較され、自分の評価が下がってしまうと考える傾向にあるのではないかと思います。
そのため、自己顕示欲の強い人は、周りの人に負けたくない意識を強く持っていると考えられます。
上昇志向が強い
上昇志向が強いということは、他の人よりも上に立ちたいという思いの表れでもあります。
つまり、上昇志向が強い人が持っている気持ちとしては、上を目指す気持ちと他の人を見下ろしたい気持ちの両方を持っているのではないかと思います。
自己顕示欲が強いというのは、他の人に認めてもらいたいという気持ちの表れなので、上昇志向が強い人が持っている気持ちがあってもおかしくはないのでしょうか。
自分が注目されていないと気が済まない
他の人が目立つと自分をアピールしづらくなります。
それは、自己顕示欲を満たすためには、他の人が自分に注目することが必要条件であるとも言えます。
自己顕示欲の強い人は、さまざまな行動、言動で自分に注目してもらおうとします。
また、自分が注目されていない、目立っていないと、不機嫌になってしまう人も少なくはないと思います。
意外と傷つきやすい
自己顕示欲が強い人は、他者評価に重きをおくことは、何度も言ってきました。
他者評価に重きをおくことということは、他の人の評価を気にするということでもあるので、他の人に言われたことなどを気にしやすいです。
自分以外の人をコントロールすることはそう簡単にできることではないので、他の人の評価を気にする人ほど、傷つくことが多いということです。
何でも自分の功績にしようとする
これは言わずもがなですかね。
自己顕示欲が強い人は、他の人に評価されるために、自分をアピールします。
自分をアピールするためには、アピールするためには、アピールするための材料が必要です。
その材料集めのために、良い結果が出た時は、何でもかんでも自分の功績にしようとします。
自分の功績にすることは悪いことではないですが、それが行き過ぎると周りから反感を買う可能性が大いにあります。
良い結果は自分の能力、悪い結果は環境のせいにしやすい
1つ前の「何でも自分の功績にしようとする」につながることで、自己顕示欲が強い人は、自分を常に誇示しようとします。
ただ、物事の結果がすべて良い結果に終わることはありません。
良い結果もあれば、悪い結果もあります。
そんな中、自己顕示欲が強い人は、良い結果の時は、自分の能力のおかげ、自分の功績であると考え、悪い結果の時は自分は関係なく、環境のせいであると考える傾向にあるのではないかと思います。
大多数の考えに反対の考えを持とうとする
何でもかんでも少数派の意見を持ちたがる人
そういった人が周りに1人はいるのではないでしょうか。
自己顕示欲の強い人は、自分に注目を浴びないと気が済まないということは先に言いました。
その流れから、大多数の意見とは反対の意見を持つことで自分を際立てようとします。
「みんなが言っているから正しい」という論理に疑問を持つことは良いではあると思いますが、何でもかんでも反対の意見を持つというのはいかがなものでしょうか・・・
他の人とは違うことをしようとする
自己顕示欲が強い人は、「自分は他の人とは違う」「自分は特別である」ということを他の人にアピールするための言動や行動をしようとします。
これは、大多数の考えとは反対の考えを持とうとすることにも言えることです。
他にも、奇抜なファッションでオリジナリティを出すという行為も、他の人と違うということを外に発信するための行為であると言えます。
他の人に影響を受けやすい
これは、1つ前に書いた「他の人と違うことをしようとする」と矛盾しているように見えます。
繰り返しになりますが、自己顕示欲が強い人は、他の人の評価を気にする傾向にあります。
他の人の評価を気にするというのは、他の人にどう思われるかを気にするということであり、他の人によく思われるための言動や行動をします。
それはつまり、他の人に影響を与えられているということでもあります。
自己顕示欲が強い人は、オリジナリティを求めつつ、他の人にも影響を受けているということになります。
他人の不幸は蜜の味?
他の人よりも注目されたい、目立ちたい、他の人よりも上に立っていたい、他の人に負けたくない、そういった特徴があることは先に説明しました。
これらの特徴の共通点は、どれも「他の人」という言葉が入っていて、相対的な考え方が主になっているということです。
なので、自己顕示欲が強い人の中で「他の人の不幸が蜜の味」が当てはまるという人も少なくはないのでしょうか。
まとめ
今回は、自己顕示欲の強い人の心理と特徴について考えてきましたが、いかがでしたでしょうか。
特に、身の回りの人に自己顕示欲が強いと感じられる人がいる方は、その人と比べていかがでしたでしょうか。
自己顕示欲が強い人は、ただ自分を守るため、自己を傷つけないための行動や言動をしているに過ぎません。
誰しも自己顕示欲というのは持っているものであり、周りから敬遠される自己顕示欲が強い人というのは、ただ自分を認めてもらいたいという欲求が表に出やすく、それが周りの人に伝わりやすい人のように感じられます。
そして、そういった考えで身の回りにいる自己顕示欲の強い人と付き合うようにすれば、少しはその人の見方も変わるかもしれません。