「もっと寝ていたいのに、朝早くから目が覚めてしまう・・・」
このような経験をしたことがある方も少なくないと思います。
朝、予定の起床時間よりもずっと早く起きてしまう症状を「早朝覚醒」といい、不眠症の一種となります。
早朝覚醒で起きた後、再び眠ろうにも眠れない場合もあり、仮に眠れたとしても深い眠りに入れず、ウトウトとした浅い睡眠になることも多くあります。
特に、入眠障害と早朝覚醒の症状が重なった場合、睡眠の質が大幅に低下して、体や頭を十分に休めることができなくなってしまいます。
早朝覚醒が起きる原因とは一体何なのでしょうか・・・。
早朝覚醒の4つの原因
加齢に伴う睡眠リズムの変化
朝早く目が覚める早朝覚醒の症状は、高齢者によく見られる症状です。
睡眠には浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)の2種類があります。
年齢を重ねるにつれて浅い眠り(レム睡眠)が増えていきます。40代になった頃から睡眠リズムが大きく変化し始め、それから高齢になるにつれて、深い眠り(ノンレム睡眠)がほとんど現れなくなります。目が覚める時は眠りが浅くなるタイミングであり、深い眠りがとれなくなると、睡眠中に目が覚める可能性が高まります。
つまり、加齢に伴って浅い眠りが増えて、早朝覚醒が起きやすくなるということです。
また、年齢とともに日中の活動量が減少して、夜眠ろうとする時に体が休憩モードへの切り替えがうまくいかずにぐっすり眠れなくなることも眠りが浅くなる原因となります。
うつ病との関係(精神的なストレスの問題)
うつ病は、どんな物事にも興味がなくなる、何に対してもやる気が起こらない、といった症状が見られます。その症状の中に不眠症が含まれることも多く、特に早朝覚醒がうつ病と一緒に起こることが多いです。
うつ病は、精神的なストレス、身体的な病気、環境の変化などの様々な原因が絡み合っております。うつ病になると脳内の神経伝達物質の働きが悪くなって早期覚醒などの不眠症を引き起こしていると考えられます。
また、早期覚醒以外にも、入眠障害もうつ病で現れやすい症状と言われております。うつ病になると不安や心配事、緊張の度合いが強くなるので、寝る前にネガティブなことを考えやすくなって、眠ろうにも眠れなくなります。
浅い眠りが慢性化している
浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)は、90分周期で交互に訪れると言われております。段階的に睡眠は深くなり、眠り始めてから3時間後にとても深い睡眠が訪れます。
しかし、何かしらの理由で睡眠が浅くなると、夜中や早朝に目が覚めやすくなります。夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」が起きると、全体的に浅い眠りになってしまうので、それが深刻化すると、早朝覚醒が起きやすくなります。
体内時計のリズムの変化
年齢や生活習慣の変化などによって、体内時計のリズムは狂いやすくなります。
例えば、朝早く起きた時、じっとしていられずになって、家事や運動などの活動をし始めると、通常よりも早い段階で睡眠ホルモンと言われる「メラトニン」が抑制され、その分、夜の早い時間にメラトニンの分泌が始まり、眠気が訪れるのが前倒しになってしまいます。そして、翌朝も朝早く目が覚めてしまって、また夜眠る時間も早まっていく・・・・といったような悪循環に陥ることにもなります。
このような就寝時間と起床時間が極端に早くなってしまう症状を睡眠相前進症候群と言われます。
早期覚醒と思っていた症状が、実は睡眠相前進症候群といった別の睡眠障害であることも。
まとめ
本記事では、早期覚醒の原因についてまとめましたが、いかがだったでしょうか。
早朝覚醒は、よく高齢者に見られる症状ではありますが、うつ病の患者さんが増えている現代において、若い世代にも見られる症状でもあります。
また、早期覚醒の原因は1つだけの場合、加齢の影響やうつ病など、複数の原因が絡み合って起きる可能性もあり、まずは、何かしらの対策を打つ前に、自分の症状の原因を探ることから始める必要があるでしょう。
次回は、今回に引き続き、早期覚醒の対策をご紹介しますので、ぜひご覧ください^^