ストレスが溜ると、やけ食い、暴飲暴食を繰り返して「ストレス太り」してしまう人
反対にストレスが溜まると、食欲不振になって「ストレス痩せ」してしまう人
両者の違いは何なのでしょうか?
本記事ではストレス太りやストレス痩せの原因を見ながら、ストレスで痩せる人、太る人がいる理由について追ってみたいと思います。
目次
ストレス太りの原因とは・・・
脳が食事でストレスを抑制しようとしている!
ストレスが溜まって不安を感じたり、イライラしている状態の時、体は交感神経が優位に働いております。
交感神経が過剰に働くと、体を休めることができないので、だんだんと体への疲労が蓄積されていきます。
すると、脳が体を休めるために副交感神経を働かせようと、副交感神経を働かせる手軽な方法である「食べること」を選びます。
つまり、ストレスで生じた自律神経に乱れを整えるために、脳が食べることを選ぼうとするというわけです。
確かに食べることでストレスは抑制されますが、ストレス発散の食事を繰り返すということは、ストレス太りへの道が着実に進んでいることも意味します。
ストレスホルモンが食欲抑制ホルモンの分泌を抑えている!
ストレスを感じている時、体の中ではコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが大量に分泌されます。
コルチゾールは、脂肪を蓄積しやすくして、食欲抑制ホルモンのレプチンを減少させる働きがあります。
そして、そのコルチゾールの働きによって食欲に歯止めがきかなくなり、やけ食いや過食に向かうというわけです。
歯止めがきかなくなった食欲の向かう先は・・・・ご想像通りかと思います。
ストレス痩せの原因とは・・・
交感神経の働きで食欲低下
繰り返しになりますが、ストレスを感じている時は体の中では交感神経が優位になっている状態、いわゆる「臨戦態勢モード」になっております。
そして、ストレスが溜まって食欲がなくなることがあるのは、交感神経には食欲を落とす働きがあるためです。
たとえば、部活の試合前やプレゼン前に緊張で食欲がわかないことがあるかと思います。これらも交感神経の働きによって食欲が抑えられているから起きております。
試合やプレゼンであれば、終わった後、心身の緊張が解けて交感神経の働きが弱まり、次第に食欲がわいてきます。
しかし、慢性的にストレスを感じている場合だと心身の緊張が解けず、食欲がない日々が続いて、だんだんと食事量も減っていきます。その結果、ストレス痩せで急激に体重が落ちるというわけです。
ストレスホルモンの過剰分泌で血糖値が上昇
先ほどストレス太りの原因にはストレスホルモンのコルチゾールが関わっていると言いましたが、実はコルチゾールはストレス痩せにも関わっております。
その関わりのキーポイントとなるのが、コルチゾールの血糖値を上げる働きです。
ストレスによってコルチゾールが過剰分泌されると血糖値が上がりますが、その血糖値の上昇は食欲に影響を与えます。
私たちは、血糖値が下がると空腹感を感じ、血糖値が上がると満腹感を感じる仕組みになっております。
つまり、コルチゾールによって血糖値が上がると、食べてもいないのに満腹感を感じて、食欲がわかなくなるということです。
コルチゾール自体は悪いものではありませんが、コルチゾールは過剰分泌されると、ストレス太りだけでなく、ストレス痩せにも関わる厄介なホルモンとなるのです。
ストレス太り、ストレス痩せには体質も関わる?
「ストレス太り、ストレス痩せは体質によるもの」
このような話であれば、これで終わっていまいますね。
しかし、そんな簡単な話ではありません。
太りやすい体質の人でも、ストレス太りだけでなく、ストレス痩せが起き、痩せやすい体質の人も、ストレス痩せだけでなく、ストレス太りが起きる可能性があります。
これは、ストレスで自律神経のバランスが生じた後、体内の代謝反応の違いによるものであると考えられております。